「BDSキャンペーン」Q&A


「BDS キャンペーン」ってなに?


 お金の流れを変えることで、世界を変える。
 「BDS」とは、私たちひとりひとりが実行できる、そのための具体的な方法です。
 「BDS キャンペーン」は、2005 年7 月、イスラエルによるパレスチナの人びとへの数々の人権侵害―占領や虐殺、アパルトヘイト、分離壁の建設―を終わらせるために、パレスチナのいくつもの市民団体によってよびかけられました。
 イスラエルに対して、「BDS」を行ないかけていくための、国際的なキャンペーンです。
【参考】「国際法および人権という普遍原理の遵守まで イスラエルに対するボイコットと資本の引き揚げ、制裁措置 を行うよう求めるパレスチナの市民社会からの呼びかけ」本文
B=Boycott〈ボイコット〉

 たとえば人殺しや人権侵害など、「NO」を言いたいことを行なっている相手、あるいはその相手を支援している企業の商品を買わないこと。
 私たちは、暮らしの中で世界中から集められたモノやサービスを消費しています。 ひとりひとりが使うお金は大したことがない額でも、たくさんの人が同じ目的のもと消費行動を変えれば、私たちは経済的に大きな影響力を持つことができま す。
例「私はイスラエル産のスウィーティーを買わない!」
D=Divestment〈投資の撤収〉

 「NO」を言いたいことを行なっている相手に対する投資をやめる/やめさせること。
 「投資の撤収」というと、ちょっとわかりにくいかもしれません。そもそも、投資なんてするお金なんかない……という方もいらっしゃるでしょう。
 でも、「NO」を言いたい相手と取引している企業が、その取引をやめれば、それはその相手からの投資の撤収を意味します。
 私たちは、消費者として、企業に対しその相手との取引をやめるように要請することができます。
 あるいは、預金者として、自分のお金を預けている銀行にその相手との取引をやめるように要請することもできます。
 要請を聞いてくれなかった場合、その企業の商品を買わない/その銀行に預金をしないなどのボイコットをすることもできます。
 お金のある方は、ぜひご自身の資金運用先をチェックし、「NO」を言いたい相手や、その相手をサポートしている企業に投資がなされているようでしたら、ぜひその投資を撤収して、違うところに投資してください。
例「行きつけのスーパーに、イスラエル産のスウィーティーを置かないように投書する!」
S=Sanctions〈経済制裁〉

 「NO」を言いたい相手に対し経済制裁をするように自分たちの政府に呼びかけること。
 私たちは、有権者として、自分たちの政府に、自分たちの意見を政策に反映するよう呼びかけることができます。「経済制裁」には、その相手との貿易の停止や、その国の人へのビザ発給の停止などさまざまな方法があります。
例「政府に対して、『イスラエルに対して経済制裁を行なってください』と手紙を書く!」

「BDSキャンペーン」の目的は?


 このキャンペーンの目的は、イスラエルに国際法を守らせ、これまで行なってきた犯罪行為の責任をとらせることにあります。それはすなわち、パレスチナの人びとの基本的人権が尊重されるようにするということです。
 国際社会は、国連決議などの形でイスラエルの犯罪行為を指摘しつづけてきましたが、イスラエルがそれを受け入れないことになんの圧力もかけていません。
 非暴力かつ直接的なこの「BDS」行動を通し、この矛盾を国際社会に訴えていくことも重要な目的です。

「BDS キャンペーン」の標的は?


 このキャンペーンの標的は、犯罪行為を行ない続けているイスラエル政府を支えている経済システムです。この経済は、パレスチナの人びとから暴力的に奪った土地で、パレスチナの人びとを働かせて作られ、国際的な取引や支援【※】を通じ成長している経済です。
 ※たとえば、アメリカからイスラエルへの軍事援助金は、毎年25億〜30億ドル(約3000億〜3500億円)ほど。さらに、アメリカからイスラエルへの武器売却は2005年には27億ドル(3100億円)を超えました。アメリカによるこうした軍事援助は、この30年以上にわたって継続しています。
 「BDSキャンペーン」は、戦争と暴力による経済を狙うものであり、その標的はイスラエル市民ではありません。

「BDSキャンペーン」には本当に効果があるの?


 南アフリカのアパルトヘイトに反対するボイコット運動は、1950年代後期にごく少数の人たちによってはじまりました。それが大きな流れになるまでには時間がかかりましたが、南アフリカでのアパルトヘイトを打倒する大きな推進力になりました。
 B・D・Sを組み合わせて大きな流れにしていくことができれば、私たちは大きな影響力を持つことができます。

「BDS キャンペーン」によってかえってパレスチナの人びとが困らないの?


 このキャンペーンは、パレスチナのいくつもの市民団体からの呼びかけではじまりました。その中の一人のメンバーは、次のように語っています。
 「私たちは、土地や水を奪われた上に、70%を越える失業に苦しんでいます。木々は引き抜かれ、家は破壊され、身内が殺され、数千人もの人たちが閉じ込められ、拷問されています。日常的にも、人間の尊厳が傷つけられています。これ以上、ボイコットによって失うものなどありません」

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